インクの匂いと、怒号が飛び交う現場にて
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
39歳、手取り22万のルート営業マンです。
前回は私の悲惨なスケジュールを公開しましたが、今回は私の「仕事の中身」について少しお話しさせてください。
私が普段相手にしているお客様は、スーツを着たオフィスワーカーではありません。
機械油とインクの匂いが充満する印刷工場で、轟音を立てる機械と向き合っている「職人さん」たちです。
正直に言います。
この仕事を始めた当初、私は現場に行くのが怖くて仕方ありませんでした。
「邪魔だ!どいてろ!」 「こんな忙しい時に何しに来たんだ!」
挨拶代わりに怒鳴られるのは日常茶飯事。
口下手な私は気の利いた返しもできず、ただ冷や汗をかいて立ち尽くすだけ…。
でも、そんな現場に通い続け、揉みに揉まれる中で、少しずつですが「職人さんとの付き合い方」が分かってきました。 今日は、口下手な私が現場で学んだ、泥臭いけれど効果絶大な「信頼構築術」を3つ紹介します。
信頼構築術その1:「機械の音」を聞け!タイミングを見計らった『一言目』
営業マンは、基本的に現場では「邪魔者」です。
納期に追われて殺気立っている現場の方にとって、呑気に話しかけてくる営業マンほど鬱陶しい存在はありません。
私は、自分の都合で「こんにちはー!かとたかです!」と元気よく話しかけては、「チッ(舌打ち)」と無視されていました。
そこで私が意識を変えたのは、「話しかけるタイミング」です。
印刷機にはサイクルのようなものがあります。
紙をセットしている時、色を調整している時、機械がフル稼働している時。
私は現場の隅でじっと待ち、機械の音が少し緩んだ瞬間や、職人さんが一息ついて汗を拭った瞬間を見計らって、声をかけるようにしました。
かとたか「手が空くまで待ってます!」
そして、一言目は絶対に売り込みをしません。
「(印刷物を見て)うわ、今日の色、すごく綺麗に出てますね」 「(機械を見て)機械もバテずによく動いてますね…」
相手の仕事、または相手の相棒である「機械」へのリスペクトを最初に示す。
これだけで、「お、こいつは少しは現場が分かってるな」という空気に変わり、話を聞いてくれる確率がグッと上がりました。
信頼構築術その2:知ったかぶりは命取り。「教えてください」と頭を下げる勇気
私はゴムローラーの営業になりまだ2ヶ月しかやっていません。
印刷の全工程においては、現場の職人さんが絶対的なプロです。
特に年配の頑固な親父さんは、生半可な知識で知ったかぶりをする営業マンを最も嫌います。
過去に一度、知ったかぶりをして大恥をかき、出入り禁止寸前までいった先輩の話を聞いたことがあります。
それ聞いて以来、私は分からないことは素直に「すいません、勉強不足で分かりません。教えていただけますか?」と頭を下げることにしました。
不思議なもので、普段は怖い職人さんも、こちらが教えを請う姿勢を見せると、驚くほど丁寧に教えてくれることがあります。
「しょうがねぇな、よく見とけよ。このローラーの圧がだな…」
そうやって教えてもらったことは、必ずメモを取り、次回の訪問時に「この前教えてもらった件ですが…」と話題に出す。
「お、覚えてたのか」となれば、もうこちらのものです。
口下手な私にとって、「聞く力」は最大の武器になりました。
信頼構築術その3:口より体を動かせ。「超・即レス」と「汗だくの納品」
口下手な私には、流暢なトークで相手を納得させることはできません。
だからこそ、行動で示すしかありませんでした。それが「スピード」と「泥臭さ」です。
工場では、機械のトラブル=利益の損失です。
「ローラーが破損した!すぐ代わりを持ってこい!」という緊急電話が入った時が、信頼を得る最大のチャンスです。
私はそういう時、上司への報告や面倒な社内手続きを後回しにしてでも、まずは代替品を車に積み込み、現場へ走ります。
そして、綺麗なスーツで涼しい顔をして納品するのではなく、作業着に着替え(常に車に積んであります)、職人さんと一緒になって油まみれになりながらローラーの交換を手伝います。
汗だくになって作業を終えた後、缶コーヒーを渡されながら言われる「助かったよ、ありがとうな」の一言。
この瞬間のために、私はこの仕事をしているのかもしれません。
まとめ:営業スキルは、生き抜くための武器になる
私のやり方は、スマートなコンサルティング営業とは程遠い、泥臭いスタイルです。
でも、このスタイルでしか開けない扉が、現場には確実に存在します。
毎日怒鳴られ、理不尽なクレームに頭を下げ、それでもなんとか食らいついていく中で身につけたこの「対人スキル」は、会社がどうなろうと、私がこの先どこへ行こうと、私を助けてくれる一生モノの武器になると信じています。











コメント