私たちは「足し算」の呪いにかかっている?
「成功者は皆、朝5時に起きている」 「朝のゴールデンタイムを制する者が人生を制する」
書店に行けば、こうしたキャッチコピーが踊るビジネス書や自己啓発本が山のように積まれているよね。
SNSを開けば、キラキラした「丁寧な暮らし」のアカウントが、完璧な朝食(鶏肉にブロッコリーにゆでたまごそしてジョギング、そして資格勉強の様子を投稿している。
それらを見るたび、私はなんとなく焦燥感に駆られます。
「自分もそうしなければならないのではないか」
「今のダラダラした生活を続けていては、取り残されてしまうのではないか」と。
そして、一念発起する。
目覚まし時計をいつもより2時間早くセットし、気合を入れて布団に入って早く寝る。
最初の数日は、新しい自分に生まれ変わったような高揚感があるかもしれません。
しかし、一週間もすればどうでしょうか。
鳴り響くアラームを無意識に止め、気づけばいつもの時間。
かとたか毎日頑張ってるし二度寝しても神様は許してくれるはず…
残るのは、「またできなかった」という強烈な自己嫌悪と、日中のどうしようもない眠気だけ。




睡魔の大魔王だっぺ…
多くの人が、良かれと思って「良い習慣」を取り入れようとします。
早起き、朝活、資格勉強、SNSでの情報発信、完璧な家事、付き合いの良い人間関係……。
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみよう。
あなたが「自分のためになる」と信じて無理して続けているその習慣は、本当にあなたの人生を豊かにしているでしょうか?
実は、私たちが「やらなければならない」「やったほうがいい」と思い込んでいることの多くが、知らず知らずのうちに心身の重荷となり、かえって本来のパフォーマンスを低下させている可能性があるかも。




私も3ヶ月やっていた朝活を辞めました。
私たちは、人生を良くしようとするとき、つい何かを「足そう」としてしまいます。
新しい習慣、新しい知識、新しい人間関係。
しかし、現代人の生活はすでにキャパシティオーバー気味。
コップの水が溢れそうなのに、さらに水を注ごうとしているようなものです。




人間はなんでも詰め込みすぎるんだっぺ。
私がこれまでの人生で最も生産性を劇的に向上させ、何より「生きるのが楽になった」と感じた瞬間は、何かを始めたときではありませんでした。
それは、世間で良しとされる「常識」を疑い、自分を苦しめていた習慣を勇気を持って「やめた」ときでした。
その象徴的な出来事が、長年憧れ、挑戦し、そして挫折し続けてきた「早起き」と「朝活」をやめたことでした。




朝活は何度も挫折してるんだよね…
この記事では、私がなぜそれらをやめる決断をし、その結果どのような変化が訪れたのか。
そして、そこから得られた「引き算の思考法」について、私の具体的な体験談を交えてお話してきます。
第1章:「理想の朝」という幻想との決別
Before:意識高い系ゾンビの誕生
かつての私は、典型的な「形から入るタイプ」のいわゆる意識高い系でした。
「できるビジネスマン=朝型」というステレオタイプを盲信し、自分もそうあるべきだと強く思い込んでいた。
私の理想の朝はこうです。
朝5時に起床。
筋トレしウォーキングというなのあさんぽ。
白湯を飲みながら瞑想し、1時間は読書やゲーム制作にあてる。
その後、栄養バランスの取れた朝食を摂って、余裕を持って出社する。
素晴らしい朝活で、完璧な一日が約束されているように思えます。
しかし、現実は残酷でした。
私の体質は、もしかしたら夜型かもしれません。
夜になると目が冴えてアイデアが湧いてくる反面、朝は頭が全く働きません。
それでも無理やり5時に起きようとすると、何が起こるか。
まず、目覚ましとの壮絶な戦いが繰り広げられます。
眠い目を擦りようやくベッドから這い出たときには、頭は霧がかかったようにボーッとしています。
無理やり机に向かって本を開いても、文字が上滑りして全く頭に入ってきません。




「ああ、今日も予定通りにできなかった」
という自己嫌悪から一日がスタートします。
さらに最悪なのは、日中のパフォーマンスです。
慢性的な睡眠不足の状態にあるため、午前中はカフェイン(レッドブル、モンスター)で無理やり脳を覚醒させている状態。
ランチを食べた後の午後2時頃には、強面な睡魔の大魔王が襲ってきます。
会議の内容は右から左へ抜け、単純なミスも増えます。
結局、残業して仕事を終わらせることになり、帰宅は自然と遅くなる。
翌朝のために早く寝なければいけないというプレッシャーで逆に寝付けず、また睡眠不足の朝を迎える……。
私は「理想の自分」を追い求めるあまり、現実の自分の首を絞めていました。
早起きをしているはずなのに、一日中ゾンビのように体が重く、生産性どころか、生きている実感すら薄い日々でした。
Turning Point:自分の「取扱説明書」を受け入れる
転機は、体調を崩して医師に相談したときでした。
「あなたはそもそも、無理して朝型にする必要はない体質かもしれない」と言われたのです。
遺伝子レベルで決まっているクロノタイプ(朝型・夜型)の話を聞き、私はハッとしました。
これまで私は、自分の体の声を無視して、世間の「こうあるべき」という型に自分を押し込めようとしていたのだと気づいたのです。
魚が空を飛ぼうと努力しても、鳥には勝てません。
魚は水の中でこそ、その能力を最大限に発揮できるのです。




「もう、無理な早起きはやめよう」
そう決意しました。
朝活も、瞑想も、ウォーキングも、全部やめました。
私が決めた新しいルールは、「目覚まし時計をかけずに、自然に目が覚めるまで寝る(ただし、出社時間に間に合う範囲で)」という、非常にシンプルなものです。
After:睡眠ファーストで得られた劇的な変化
「早起き」と「朝活」をやめ、睡眠時間を最優先にする生活に変えてから、私の生活は一変しました。
現在の私の起床時間は、以前より1時間以上遅い午前6時頃です。
朝の時間に余裕はありません。
起きて、身支度をして、最低限の朝食を摂ったり10〜20分ブログを書いたらすぐに出発です。
キラキラした要素は皆無です。
しかし、その結果どうなったか。
1. 日中の集中力が段違いに上がった
これが最大の収穫です。十分な睡眠をとっているため、午前中から脳がクリアに働きます。
以前は午後になると襲ってきていた「午後2時の睡魔の大魔王」も消え去りました。
仕事中、高い集中力を維持できるようになったため、仕事の密度が圧倒的に濃くなりました。
2. 情緒が安定し、ストレス耐性が上がった
慢性的な睡眠不足は、人をイライラさせ、情緒不安定にします。
トラブルが起きるとパニックになったりしていましたが、今は心に余裕があります。
冷静に状況を判断し、穏やかに対応できるようになりました。
人間関係のストレスも激減しました。
3. 自己肯定感が高まった
「早起きができない自分はダメだ」という毎朝の自己否定がなくなりました。
「自分に合ったスタイルで生活できている」という感覚は、静かな自信をもたらしてくれました。
皮肉なことに、朝の時間のアウトプットを捨て、睡眠というインプットを最大化することで、トータルの生産性は劇的に向上したのです。
「いつ起きるか」よりも「起きている時間にどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるか」のほうが重要だということを、身をもって痛感しました。
第2章:「やめる」連鎖が止まらない
「早起き」という最大の呪縛から解き放たれた私は、「やめること」のパワーに味をしめました。
そして、これまで疑いもしなかった他の習慣についても、「これは本当に必要なのか?」と見直しを始めたのです。
その結果、さらにいくつかの「良かれと思ってやっていたけれど、実は負担になっていたこと」をやめるに至りました。
1. 「SNSの常時接続」をやめた
Before
暇さえあればスマートフォンを手に取り、SNSのタイムラインをスクロールしていました。
友人の楽しそうな投稿を見ては「自分は地味な生活だ」と落ち込み、意識の高いビジネスアカウントを見ては焦燥感に駆られる。
いいねの数に一喜一憂し、常に誰かと繋がっていないと不安になる「情報中毒」「承認欲求中毒」の状態でした。
脳は常にマルチタスク状態で、深い思考をすることができなくなっていました。
After
「デジタルデトックス」を導入しました。
寝室にはスマートフォンを持ち込まない。
食事中は見ない。
そして、SNSアプリの通知をすべてオフにし、見る時間を「昼休みと帰宅後の30分だけ」と決めました。
結果
驚くほど脳がクリアになりました。
他人の人生と自分を比較して落ち込む時間がなくなり、自分の人生に集中できるようになりました。
空いた時間で、ブログを書いたり、ゲーム制作したりとただぼんやりと考え事をしたりする豊かな時間が戻ってきました。
「思考の空白」がいかに大切かを思い知りました。
2. 「無意味な付き合い残業・飲み会」をやめた
Before
上司がまだ残っているから帰りづらい。
気が進まないけれど、誘われた飲み会を断るとノリが悪いと思われるかもしれない。
そんな「空気」を読んで、自分の時間を犠牲にしていました。
After
「自分の時間は有限である」と強く意識し、勇気を持って「やめる」選択をしました。
仕事が終われば、上司がいようが先に帰る。
行きたくない飲み会は、嘘をつかずに「今日はゆっくりしたいので」と丁寧に断る。
結果
最初は勇気がいりましたが、案外誰も気にしていませんでした。
むしろ、「あの人は自分の軸を持っている」と評価されることすらありました。
自分のための時間が大幅に増え、資格の勉強や副業など、将来への投資に時間を使えるようになりました。




人間は周りの目を気にしすぎだっぺ。
第3章:「足し算」から「引き算」の思考へ
私たちはなぜ、こうも何かを「足そう」としてしまうのでしょうか。
それは、不安だから。
今のままでは不十分ではないか。
他の人はもっと頑張っているのではないか。
そうした不安を埋めるために、私たちは新しい習慣や情報を手当たり次第に取り入れようとします。
しかし、キャパシティを超えて何かを詰め込もうとすれば、必ずどこかに歪みが生じる。
睡眠時間が削られ、精神的余裕がなくなり、一つひとつの行動の質が低下。
結果として、頑張っている割に成果が出ない、という悪循環に陥ってしまう。
私が「早起き」やその他の習慣をやめて気づいたのは、真の生産性向上とは「何をするか」ではなく「何をしないか」を決めることにある、という真理でした。
スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたのは有名な話ですが、あれは「服を選ぶ」という決断のエネルギーを節約し、より重要な意思決定にリソースを集中させるためです。
これも究極の「引き算」です。
私たちのエネルギーや時間には限りがあります。
本当に大切なことに集中するためには、それ以外のこと、特に「なんとなく良さそうだからやっていること」や「他人の目を気にしてやっていること」を勇気を持って捨てなければなりません。
「引き算」の思考は、あなたの人生に「空白」を作ります。
最初は、その空白が怖く感じるかもしれません。何かで埋めなければと焦るかもしれません。
しかし、その空白こそが、創造性の源泉となり、本当にやりたいことを見つけるための土壌となるのです。




人間って隙間を埋めたくなる【完了欲求】というのがあるだっぺ。
おわりに:あなたの荷物を下ろす勇気を
今、あなたが「やらなければ」と思って抱えている荷物を見つめ直してみてください。
それは、本当にあなたが望んで背負っているものでしょうか?
誰かの価値観を、自分のものだと勘違いしていませんか?
それを背負い続けることで、あなたの心身は悲鳴を上げていませんか?
もし、あなたが今、日々の生活に疲れ果て、生産性が上がらないと悩んでいるのなら。
新しい何かを始めるのではなく、今やっている何かを「やめる」ことを検討してみてください。
早起きがつらいなら、やめていいんです。
SNSがしんどいなら、見なくていいんです。




私のブログは見て欲しいです。
家事が完璧でなくても、誰もあなたを責めません。
「足し算」の呪いから自分を解放し、「引き算」で人生をデザインし直す。
不要なものを削ぎ落とし、最後に残ったものこそが、あなたにとって本当に大切なものです。
勇気を出して、荷物を下ろしてみましょう。
体が軽くなれば、あなたはもっと遠くまで、もっと軽やかに歩いていけるはずです。










コメント