はじめに:その「あとでいいや」が、命取りになる
「防災リュック? あー、用意しなきゃなとは思ってるんだけどね…」
「セットで2万? 高っ! 自分で100均で集めるわ」
そう言って、何も用意しないまま数年が経過していませんか?
はっきり言います。その「あとでいいや」は、災害時には「死」か、あるいは「地獄のような不便」となってあなたに降りかかります。
私は宮城に住んでいます。2011年のあの日、私は仙台市にいました。
あの揺れを知っています。
深夜、スマホの緊急地震速報が鳴り響き、職場がミシミシと悲鳴を上げ、電気が消え、真っ暗闇の中で家族の安否を確認する恐怖。
かとたかあの頃は親とも全然連絡が取れませんでした…
その時、あなたの手元に「すぐに持ち出せるバッグ」はありますか?
「手取り22万の自分には、2万円の防災セットは高い」
その気持ちは痛いほどわかります。私もそうです。
ですが、14時間労働でヘトヘトになった休日に、ホームセンターと100均を何軒も回って、30品目の防災グッズを自分で揃える気力がありますか?
断言します。私たちのような忙しい社畜こそ、「金で解決(セット購入)」すべきです。
それは「楽をするため」ではありません。「確実に生き残る準備を、今この瞬間に終わらせるため」です。
この記事では、東日本大震災を体験した視点で「なぜセットを買うべきか」を解説しつつ、それでも予算が厳しい人のために「これだけはないと社会的な死を迎える」という必需品を、優先度順(S〜Bランク)で紹介します。
この記事を読み終わる頃、あなたの家には「生存への保険」が用意されているはずです。
第1章:なぜ「防災セット」は2万円もするのか? ~自作vsセット購入の真実~
1. 「100均で揃う」という幻想
よくSNSで「防災グッズは100均で十分!」という投稿を見かけます。
半分正解で、半分間違いです。
アルミシートや給水バッグは100均でもいい。しかし、「命に関わる道具」を100均に頼るのはギャンブルです。
- すぐに液漏れする懐中電灯
- スマホを1回も充電できないモバイルバッテリー
- 座ると破れる携帯トイレ
- 背負って走るとベルトが切れるリュック
被災時、道具が壊れることは「絶望」を意味します。
市販の防災セット(特に2万円前後のもの)が高いのは、「耐久性」と「機能性」にお金を払っているからです。
防炎加工されたリュック、長期保存できる水と食料、高性能な多機能ラジオ。
これらを個別にAmazonで買い集めてみてください。
送料を含めれば、結局セット価格を超えてしまいます。
2. 「探す時間」というコスト
私たちには時間がありません。
30品目のリストを作り、サイズを調べ、買い回り、リュックに詰める。
これに休日を丸1日(8時間)費やすとしたら?
あなたの時給を掛けてみてください。
セット商品は、「選ぶ手間」と「買い回る時間」をショートカットする「時短アイテム」なのです。
3. 【結論】面倒くさがりは、今すぐこれをポチれ
もしあなたが、「細かいことを考えるのは面倒だ。でも安心は欲しい」と思うなら、迷わずランキング1位の防災セットを買ってください。
玄関にそれが置いてあるだけで、毎晩安心して眠れます。その「安心代」として2万円は決して高くありません。
防災士監修・必要なものだけの防災セットHIH【ひかりBOSAI】
第2章:【個別紹介】予算がないなら「Sランク」だけは揃えろ!
「セットがいいのは分かった。でも、今月はマジで金がない」
分かりました。
そんなあなたのために、「これがないと避難所で詰む」という最優先アイテム(Sランク)だけを紹介します。
食料よりも優先すべきものがあります。
【重要度:Sランク】 生理現象と暗闇対策(ないと死ぬ・病む)
災害時、人間が最も我慢できないもの。それは「排泄」と「恐怖」です。
1. 簡易トイレ(凝固剤)
「水と食料よりも、まずはトイレだ」
これを覚えておいてください。
地震で配管が壊れれば、自宅のトイレは使えなくなります。水も流れません。
人間は1日5回トイレに行きます。家族4人なら1日20回。
3日で60回分の排泄物が、流れない便器に溜まっていく地獄を想像できますか?
避難所の仮設トイレは、数時間で溢れかえり、悪臭と汚れで使用不能になります。
「トイレ難民」にならないために、これだけは箱買いしてください。
2. ヘッドライト(両手が空く明かり)
懐中電灯ではダメです。
避難する時、荷物を持ったり、子どもの手を引いたり、瓦礫を退けたりします。片手が塞がる懐中電灯は、災害時には「足手まとい」です。
1000円台のものでいいので、必ず「ヘッドライト」を用意してください。
停電した真っ暗なトイレや、夜間の移動で、両手が使えることは生存率に直結します。
3. 水(長期保存水)
人間は食べなくても3週間生きますが、水を飲まないと3日で死にます。
給水車が来るのは、発災から3日後以降だと思ってください。
普通のミネラルウォーターは賞味期限が短いので、ローリングストックが面倒な人は「7年保存水」などを箱で買って、押し入れの奥に突っ込んでおくのが正解です。
第3章:【重要度:Aランク】 衛生と情報の確保(感染症とパニックを防ぐ)
命の次は、「健康」と「メンタル」です。
避難所生活で命を落とす原因の多くは、実は地震そのものではなく、その後の「関連死(肺炎やエコノミークラス症候群)」です。
4. モバイルバッテリー(大容量・乾電池式)
今やスマホはライフラインです。
安否確認、情報収集、ライト代わり。スマホの電池切れは、外界との断絶を意味します。
普段使いのものとは別に、「乾電池で充電できるタイプ」を用意してください。コンセントが死んでも、乾電池なら支援物資で手に入る確率が高いからです。
大容量のモバイルバッテリーは震災時でも旅行時でも便利です。




先日、東京旅行の時に東京駅でスマホのバッテリーがなくなり焦りました。
5. 歯磨きシート・口腔ケア用品
「非常時に歯磨きなんて贅沢な」と思いますか?
違います。水不足で歯が磨けないと、口の中で雑菌が爆発的に増殖します。
その菌を飲み込むことで起きる「誤嚥性肺炎」が、阪神淡路大震災でも多くの高齢者の命を奪いました。
水がなくても使える「液体ハミガキ」や「歯磨きシート」は、実は命を守るグッズなのです。
6. 体拭きシート(大判サイズ)
お風呂には入れません。夏場なら最悪です。
汗と汚れで体がベタベタし、臭いがきつくなると、精神的に追い詰められます。
また、不潔な状態は皮膚炎などの原因にもなります。
大きめのボディシート(介護用など)があれば、心身ともにリフレッシュでき、人間としての尊厳を保てます。
第4章:【重要度:Bランク】 睡眠と食料(長期戦を生き抜く)
ここまで揃えて、余裕があれば最後にこれらを追加してください。
7. エアーマット(防災用)
避難所の床は、冷たくて硬い体育館です。
薄いブルーシート1枚で寝ることを想像してください。床からの冷気で体力を奪われ、背中は痛くて眠れません。
睡眠不足は判断力を鈍らせます。
空気で膨らむエアーマットが1枚あるだけで、そこは「天国」になります。コンパクトに畳めるので、リュックの隙間に入れておきましょう。
8. 非常食(アルファ米・缶詰)
なぜ食料がBランクなのか。
それは、「3日くらいなら食べなくても死なない」からです(水は必須ですが)。
また、避難所に行けば、おにぎりやパンが配られる可能性が比較的高いからです。
もちろん用意するに越したことはありませんが、「美味しいもの」を選んでください。
被災時の食事は唯一の娯楽です。乾パンのようなパサパサしたものより、吉野家の缶詰や、美味しいパンの缶詰などが、荒んだ心を癒やしてくれます。
第5章:【盲点】現役世代が見落としがちな「現金」と「アナログ」
ハイテク機器に頼り切った私たちが見落とす罠があります。
それは「停電したら電子マネーはゴミになる」ということです。
PayPayもSuicaも使えません。
コンビニのレジも開きません。
そんな時、最強なのが「小銭と千円札」です。
自動販売機が災害対応で無料開放されない場合や、個人商店で買い物をする場合、お釣りのいらない小銭が重宝します。
防災リュックのポケットに、10円玉、100円玉、1000円札を合わせて数千円分、ジップロックに入れて入れておきましょう。
また、「紙の地図」や「家族の写真(連絡先を書いたメモ)」も重要です。
スマホの充電が切れたり、回線がパンクした時、アナログな情報源があなたを助けます。
さいごに:今日、何もしなかったら、明日もきっと何もしない
ここまで読んで、「なるほど、勉強になった」で終わらせないでください。
知識があっても、家が潰れた時に道具がなければ意味がありません。
一番最悪なのは、「どれにするか迷って、結局買わないまま忘れること」です。
もし、2万円のセットが高いと思うなら、Sランクの「簡易トイレ」だけでいいからポチってください。
それも面倒なら、今すぐ100均に行ってヘッドライトだけでも買ってください。
「何か一つでも備えた」という事実が、防災意識を変え、次の行動に繋がります。
私は宮城で学びました。
備えとは、悲観的に準備して、楽観的に生きるためのチケットだということを。
このブログを閉じたその足で、どうかあなたと、あなたの大切な家族を守る「チケット」を手に入れてください。
災害は、あなたの準備を待ってはくれません。



















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